このタイプの男性はひじょうに冷酷な心の持ち主で、彼の中にある理想の女性を求めて、次から次へと女性を渡り歩くのですが、結局はどの女性にも満足することができません。コミュニケーションは非常に重要ですので、これからここで→出会う結婚相手とはコミュニケーションを途切れないよう気を付けましょう。光源氏は典型的なドン・ファン型といえます。彼には桐壺の更衣というひじょうに美しい母親がいたと伝えられていますが、その母親とは彼が三歳のときに死別しています。彼は自分の母親である桐壺更衣の顔を見たことがないため、そのイメージだけがいつまでも心の中に残っているわけです。やがて母亡き後、帝の寵愛(ちようあい) を得て側室となった藤壺を恋い慕うようになります。彼は母親である桐壺の更衣に似ているといわれる藤壺に恋い焦がれますが、藤壺とは永遠に持続的な関係を結ぶことはできません。そして、この藤壼へのかなわぬ思いから、彼の際限ない女性遍歴が始まるのです。藤壷に似ているとの噂がある幼少の紫の上(藤壷の姪)を、まるで幼児略奪のように自邸に無理やり迎え取ったのも、彼女に藤壺の面影を見いだしたからにほかなりません。しかも、まだ七、八歳の幼い紫の上を、映画『マイフェアレディ』や、その原作であるバーナード・ショーの「ピグマリオン』の主人公である教授がオードリー・ヘップバーンが扮した娘役に対してそうしたように、自分好みの女性に仕立てあげようとするわけです。一方、年上の妻である葵の上とはひじょうに仲が悪く、なかなか心が通い合いません。政略結婚のために義理で押しつけられた葵の上に愛情を感じないのはしかたのないことかもしれません。

061k_72